[A-014] Robert Palmer - Pride ('83)
黒人もすなるソウルといふものを、白人もしてみむとてするなり、と云うことで始まったのが、『青い目のソウル=ブルー・アイド・ソウル』だ。その歴史は古い…と云うか、ロックそのものが黒人の(リズム・アンド)ブルースを白人が発展させたモノであるとも云えるので、ロックの成り立ちがそのままブルー・アイド・ソウル的なのかも知れない。
しかし、ブルー・アイド・ソウルを聴くと、ソウルとの間にはただ単にパフォーマーの人種以上の差異が有る様に思える。そしてそれは、ブルー・アイド・ソウルが根本に持ってる『オルタナティブ化』への構造が隠れている。
それは、アーティスト本人の『ニセモノ』としての自覚である。自分は黒人ではない、その事に対する或る意味『コンプレックス』が、『ネイティブな方法論』を意識的にしろ無意識的にしろ捨てさせ、音楽を『オルタナティブ化』してしまう。…まあ、有体に云えば、マトモにやっても勝てないと踏んでいるのだ。実もフタも無いが(笑)。
Robert Palmer (Vo, etc)は『ブルー・アイド・ソウル』と、その『オルタナ化』の代表格だ。このアルバムを聴けば、いきなり変態テクノ・カリプソが流れ出す(笑)。何もそこまでヒネらなくても…と思いながら聴き進めれば、変態テクノ・レゲエ、変態テクノ・ファンク、そして最後には変態テクノ・ヒンズー・ファンクが怒涛のフィナーレを飾る(笑)。正に『ブルー・アイド・ソウル』をコジらせてしまった最終形態である(笑)。
この後、彼はハード・ロック/ファンク路線のユニット『Power Station』やソロ『Riptide』でブレイクするが、それはもうソウルの要素の無い中に置かれた、ソウルフルなボーカルの『異質感』が逆に個性となった奇妙な音楽だった。
かのブルー・アイド・ソウル・デュオHall & OatesのDaryl Hallが、「オレの音楽をブルー・アイド・ソウルと呼ぶな。それは差別だ」と憤慨していたのをテレビで観た時、ああ、やっぱり気にしていたんだなあと得心したりもしたが(笑)、そう云えばRobert Palmerも『U.S.A. for Africa』のビデオについてBruce Springsteenの歌をクサしてMichael Jacksonを褒め称えていたのを覚えている。…事ほど左様に、そんなアーティスト達の『オトナ気』を無くさせる程の『コンプレックス』なんだろうなと推し量ってみたりもした。
2003年、彼の『青い目』は永遠に閉じられ、『魂』は天に昇って行ってしまった。合掌。
その他のアルバム
System - Sweat ('83)
エレクトロニクス担当の白人とソウル・ヴォーカル担当の黒人によるテクノ・ファンク・デュオの1st。『Pride』収録の『You are in My System』はこちらがオリジナル。
Daryl Hall - Soul Alone ('93)
ブルー・アイド・ソウル界では世界一有名なヒト(本人的には不服だろうが)の、実にソウルフルなアルバム。
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