[A-013] Todd Rundgren - A Cappella ('85)
どの作品でも良いが、Todd Rundgren (Vo,G,etc)を聴くと、全く本当に『天才』の何たるか、と云うのを思い知らされる。
彼にとって『音楽』とは、『表現』だの『芸術』だの『人生』だの『アイデンティティー』だの、そんなモノでは無く、単なる『遊び』だ。子供の様に目を爛々と輝かせながら新しいオモチャをイジっている内に、ポップで、ユーモラスで、それでいてココロをを揺さぶる深みの有る彼の『音楽』が、まるで魔法の様にカンタンに産み出されるのだ。彼がアタマを掻き毟り、苦しみながら作曲する絵が全く思い浮かばない(笑)。
それゆえ、彼は新しいオモチャにすぐに飛びつく。シンセサイザーやマルチトラック・レコーダー、数々のエフェクター。そして音楽フォーマットで云えばプログレッシブ・ロック、テクノ・ポップ、ヒップ・ホップ。さらにはPhilipsが開発したCD-iなんてインタラクティブ・メディアなぞに飛び付いたかと思えば、今後はインターネットでしか作品を発表しないなどと宣言したり。…そして、そのどれもに飽きる(笑)。そう、子供なのだ。
その彼が『A Cappella』と云うアルバムを発表した。タイトルから、普通は彼の多重録音によるコーラス・ワークが堪能出来るアコースティックなアルバムなのではと思うところだが…甘い(笑)。そう、彼は新しいオモチャを見つけた。その名は『サンプラー』。これは、自分の声をサンプラーに取り込んで、加工し、打ち込みによりドラムやパーカッション、ベースなどの楽器音として使ったアルバムである。
もちろん、彼のルーツである『フィリー(フィラデルフィア)・ソウル』の曲などもドゥー・ワップで楽しげにやったりしているが、彼がサンプラーを手にした時の目の輝きが、そのままキラキラとアルバム全体のムードを支配している。このコンセプトと、それに対する『アカペラ』と云うタイトルを思いついた時、きっと彼の顔にはニヤニヤとした笑みが浮かんだ事であろう(笑)。
しかし、その実験的なアルバムが、どうしようも無くポップで、ユーモラスで、それでいてココロをを揺さぶる深みの有る彼の『音楽』なのだ。彼がアタマを掻き毟るのは、曲作りに苦しむからでは無く、ただ単に『痒い』からだろう(笑)。そしてそこからボロボロと、『天才の音楽』がこぼれ落ちる。
その他のアルバム
Todd Rundgren - Nearly Human ('89)
Todd再発ブームの中発表された13th。TubesやBourgeois Taggのメンバーが参加したライブ感溢れるビッグバンドでの、AORやらソウルやらゴスペルやらのTodd節。
Utopia - Redux 1992: Live in Japan ('92)
Todd率いるプログレ・ポップ・バンドUtopiaの日本での再結成ライブ盤。行ったんスけど楽しかった~(笑)。
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