2011/08/21

[A-009] Tears for Fears - The Seeds of Love ('89)

ちょっと前の話題だけど、あのCDショップの『WAVE』が全店閉店だそうで、そう云えば在りし日の『六本木WAVE』には色々な音楽を教えて貰ったなと汗を拭いながら感慨に耽る今日この頃であります。今日は幾分過ごしやすいカンジだけどね。ホント今年の夏は節電と相まって地獄チックな夏ですな…。


[A-009] Tears for Fears - The Seeds of Love ('89)



『オレ・タチ・TFF』…判るヒトには判ってもらえると思うが(笑)、と云うワケで以下バンド名はTFFと略す。

Roland Orzabal (G,Vo)、Curt Smith (B,Vo)の二人組TFFは、そのデビュー作『The Hurting』('83)からしてもう風格が有った。完成していたと云っても良いだろう。エレクトロニックの興奮の中のアコースティックな哀愁、そして破綻しない程度のアヴァンギャルドなフレーバーと云う、ニューウェーブ好きからすれば『判ってるじゃん』的な楽曲たち。そして耽美的なビジュアル(笑)。…正にニューウェーブ/エレポップのお手本と云った風情だった。

そして2ndアルバム『Songs from the Big Chair』('85)が発表されるとこれがまさかまさかの大ヒット。作風はパワフルなバンド・サウンドになり、判り易いメロディーと共に、正にブリティッシュ・ポップ/ロックの先鋭的な体現者と思われた。

…まあ、そうなんだよ。ソツが無いんだよ。出来過ぎてるんだよ(笑)。このブログを読んでる方は薄々感づいていると思うがわたしは性根がどうしようも無く捻くれているので(笑)、このテのヒトたちは実はニガテなのだ。特にヒットしちゃったりすると輪を掛けて「ふんっ」ってなことになってしまう(笑)。

そんなこんなで、前作から4年後に発表されたのがこの3rd。

80年代の音楽ムーブメントに、アダルト・オリエンテッド・ロック…略して『AOR』と云うモノが有った。もう殆ど絶滅してしまったと思われるが、ジャズやフュージョンを基調としたスムースなサウンドの『大人のロック』(笑)だ。

このアルバムは、正にそのAORだった。所々、ニヤッとさせるBeatles的な仕掛けや、先祖返りとも云えるエレクトロニックな響きは有るものの、その楽曲たちには奇も衒いも無く、かつての『尖った存在』としての自分たちを、まるで放棄したかの様なサウンドだ。

『AOR』と云う、『ソツ』からは最も遠い音楽へと変貌を遂げた彼らに、しかし、自分としては随分と腑に落ちた記憶が有る。これはたった三枚で80年代の『ニュー・ウェーブ・バンド』が辿るべきサクセス・ストーリーを描き切った、やはり彼らの『天才』なのだ。

そして、彼らはこのアルバムを最後に分裂してしまう。これも、90年代に向かって『ニュー・ウェーブ・バンド』が辿るべき道だったのかも知れない。


その他のアルバム

Tears for Fears - Elemental ('93)



前作から4年後、喧嘩別れした片割れRolandがほぼ一人で作り上げた4th。殆ど打ち込みなのだが人力演奏にしか聞こえないのがスゴイ。特にドラム。

Curt Smith - Soul on Board ('93)



そして脱退したもう片割れの同時期に出た1stソロ。TFFより多少ルーツ・ミュージック寄りか。結局二人は2004年にTFFを再結成する。

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