2011/08/08

[A-008] Fishbone - Fishbone ('85)

ジョー山中氏まで逝っちゃった。7日に肺がんで。64歳。凄まじいハイトーン・ヴォーカルを聴かせてくれたフラワー・トラヴェリン・バンドは今でも海外にファンが多い、非常にスケールの大きいバンドでした。内田裕也氏は何を思う。ご冥福をお祈り致します。


[A-008] Fishbone - Fishbone ('85)



今は昔、もう失われてしまった音楽ムーブメントに『ミクスチャー・ロック』と云うモノが有りました。その名の通り、あらゆるジャンルをミックスして『ロック』と云う枠組みにぶちこんで、楽曲を成立させてしまおうと云う試みだったのです。そしてこのFishboneが、そのミクスチャー・ロックの先駆者であるとの認識が有ったりもします。

しかし、このアルバムを聴いてみても、70年代後期~80年代初頭から有ったSpecialsやMadness等の2-Toneレーベル系のスカ・パンクと音的にはあまり変わりが有りません。確かに非常に新しい『響き』が有るのは確かなのですが、では、その『響き』の正体は何なのでしょうか?

実はこの『ミクスチャー・ロック』、その初期には『黒人』が『ロック』をやる為の方便であったことも否めないのです。黒人が何の音楽をやろうと『ブラック・ミュージック』の範疇で語られてしまう、その事に対する『違和感』の結実こそが、『ミクスチャー・ロック』の誕生でした。

Stevie SalasやKeziah Jones、Living ColorやBad Brainsなんかがちゃんと『ロック』としての範疇で語られ出す、その先駆がFishboneだったワケで、それはその『違和感』のピークと彼らの登場が重なっただけとの見方も出来ます。

でも、これが皮肉な事に、彼らの中に有る『黒人性(ファンクネス)』こそが、新しい『響き』の正体の様に思えるのです。リズムの中に潜むグルーブこそが、独特のサウンドをもたらしているのではないかと。

やがて、Red Hot Chili Peppers等の白人バンドの台頭に伴い、彼らの音楽スタイルに沿って、ファンクのリズムにハードなギター、その上にラップを乗っけて一丁上がりと云った具合に、『ミクスチャー・ロック』は見事なまでにテンプレート化されます。やがてそのテンプレートに黒人たちも…Fishboneも…迎合し、何でもOKだったはずの『ミクスチャー・ロック』から、もはや新しい『響き』は失われてしまうのです。

今は昔、もう失われてしまった音楽ムーブメントに『ミクスチャー・ロック』と云うモノが有りました。あの『新しさ』をもう一度味わいたくて、今でもこのアルバムを聴いてしまいます。


その他のアルバム

Red Hot Chili Peppers - Mother's Milk ('89)



今やロックフェスの大物常連。彼ら以降、たとえパンク系と云えども良かれ悪しかれテクニックを気にしだした。

FFF - Blast Culture ('91)



フランスのミクスチャー・バンド。レッチリ+ポリスってなカンジでカッコいい。

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