[A-006] Prince - Lovesexy ('88)
え?…っと思われたかも知れない。Prince殿下である(笑)。あのミネアポリス出身の天才少年、長じて爬虫類系裸の王子様である(笑)。そんな『オルタナティブ』から程遠いヤツをココに入れていいのか?…おっしゃること、ごもっともです(笑)。
いやいや、Princeは判った。確かに80年代に大きな足跡を残した不世出のポップ・スターではあるだろう。しかし、何で『Lovesexy』?…と思われた方もいらっしゃるかも知れない。あの評論家の間で軒並み80年代ベストアルバムに選ばれた『Parade』('86)や、映画と共に大ヒットした『Purple Rain』('84)、いやいや出世作『1999』('83)やサイケ風味の『Around the World in a Day』('85)ではないのか?…おっしゃること、ごもっともです(笑)。
しかしこんなにオルタナティブなアルバムは無いのですよ。何しろこのCD、トラック信号が無い(笑)。一応9曲入りなのだけれど、一曲目から最後まで、ノンストップ。いくら何でも、そんなセールスに響くような仕様に、マトモなポップ・アーティストならするワケが無いし、そしてもちろん、会社も許すはずが無い。しかし、それをやり得たのがこの時のPrinceと云うアーティストであり、そして会社がそれを許さざるを得ない程のビッグ・ネームであったと云うことでありますな。
彼は成した音楽的功績は『ファンクの解体と再構築』と云うモノであると考えているんだけど、…云わばPost PunkならぬPost Funk。Jimi HendlixやSly Stoneの影響は有れど、従来の黒人音楽のフォーマットからの脱却を目指していたと。しかしそれは、これまた80年代に隆盛を極めた『ブルーアイド・ソウル』や『ブラック・コンテンポラリー』的な、所謂『洗練』とはまた違う方法論、正に『オルタナティブ』な手法によって、もうひとつの黒人音楽としての『プリンス・ミュージック』としか云い様のないモノを、しかもちゃんと判りやすい『ポップ』として提示しているんだよね。
機械的なリズムに、最小限のギミック、そして、彼の声。それでもちゃんと、肉感的なグルーブと切ないポップセンスを表現出来る。しかも『新しい』。ひょっとして、Hip Hopが天下を取らなかったら、この『プリンス・ミュージック』のフォーマットが、新世紀の黒人音楽として隆盛を極めていたかも知れない。…ね、殿下。
その他のアルバム
Prince - Sign O the Times ('87)
二枚組み大作。あのMTV全盛期に、殿下どころか誰も登場しない、ただただ歌詞が流れるばかりのタイトル曲のPVには度肝を抜かれた。
Prince - Batman ('89)
Tim Berton監督作 ('89)のサントラ。♪バ~ットマ~ン、農協牛乳っ!(笑)
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