John Cale - Shifty Adventures in Nookie Wood
元Velvet Undergroundの重鎮、渾身のオルタナ・ポップ・アルバム。近年はベテランのオルタナ・ポップ回帰が目立った様に思えるのだが、その秘密はどうも『オート・チューン』にある様に思える。他アーティストへの作・編・プロデュース曲のコンピレーション『Conflict & Catalysis: Productions & Arrangements 1966-2006』も良かった。
Neneh Cherry & The Thing - The Cherry Thing
Don Cherryの娘なんて肩書きはもう要らないカンジの、元Rip Rig + Panicのヴォーカルのオルタナ・ジャズ・アルバム。フリー・ジャズやパンク他のカバーが中心で、Suicideの『Dream Baby Dream』をやってたりしてナカナカ渋くて深い。リミックス・アルバム『The Cherry Thing Remixes』はオルタナ度が上を行く素晴らしさ。オルタナ・ジャズ系では他にMedeski, Martin and Woodのライブ・アルバム『Free Magic』や、仏のOrchestre National de JazzのAstor Piazzolla曲集『Piazzolla!』が良かった。
Squarepusher - Ufabulum
信頼と実績の『ドリル・ン・ベース』の新作。破壊的なリズムに載る美しいメロディは相変わらず。ラジオでのスタジオ・セッションを収めた『KCRW Session』は何故かちょっと食傷した。
Can - The Lost Tapes
『クラウトロック』の巨星の発掘音源集。…まあ、新作ではないけれども、こんなハイレベルなモノを三枚組のボリュームで出された日にゃ入れざるを得ない(笑)。プログレ勢では他にMAGMAの新作『Felicite Thosz』、Van Der Graaf Generatorのスタジオでのインプロを収めたアルバム『Alt』が良かった。
Project Undark - Radium Girls 2011
『ジャーマン・エレクトロニクス』の代表格Clusterの片割れDieter Moebiusがバック・トラックを製作し、日本の誇るオルタナティブ・アーティストPhewらがコトバを載せたコンセプチュアルなアルバム。可愛くて無邪気で薄ら寒い手触り。日本モノでは他に”ハード・コアなクラムボン”と云った趣のモーモールルギャバン『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』が良かった。あと七尾旅人の『リトルメロディ』の『圏内の歌』には泣かされた。
Flea - Helen Burns
ご存知レッチリのベーシスト。彼がこんなコンテンポラリーな感性を持っていたことが素直にウレシイ。彼とBlurのDamon Albarnが組んだバンド『Rocket Juice and the Moon』の同名アルバムも良かった。かつてのレッチリの盟友John Frucianteのソロアルバム『Letur-Lefr』『PBX Funicular Intaglio Zone』も今風ながら尖った良作。
James Iha - Look to the Sky
元Smashing Pumpkinsのギター/ボーカルの新作ソロ。サイケデリックで有りながら穏やかな空気感、美しい『歌』が聞こえてくる。
Philip Glass - Rework: Philip Glass Remixed
アメリカン・ミニマル・ミュージックの巨匠の曲をBeckやコーネリアス他のアーティストがリミックスしたアルバム。Kraftwerkの『The Mix』ではブリープ・テクノ、Steve Reichの『Reich Remix』ではミニマル・テクノが発売により絶滅してしまったが(笑)、これが発売されたら何が絶滅してしまうのだろうか(笑)。現代音楽方面では他にBang on a Can All-Starsの『Big Beautiful Dark and Scary』が良かった。
Public Image Ltd. - This is PiL
ポスト・パンクの代名詞の、何と驚きの新作。相変わらずのオルタナ・ファンクだが、John Lydonの声が年取った分、何だか落ち着いて聴けた(笑)。かつてのPILの盟友…今はまあアレだけど(笑)、Jah WobbleとKeith Levinの『Yin & Yang』も相変わらずだった。しかし、このご時世に『相変わらず』なのがスゴイ(笑)。
Producers - Made in Basing Street
元Buggles、YesのTrevor Horne、元10cc、Godley & CremeのLol Cremeらが突然結成したスーパー・グループによるオルタナ・ポップ・アルバム。曲が良いのはやはり強い。スーパー・グループのオルタナ・ポップ系では他にYesのベースChris Squireと元GenesisのギターSteve HackettによるSquakettの『A Life within a Day』がプログレ風味、ご存知Asiaの『XXX』がAOR風味で良かった。
総評
『重鎮』だの『巨匠』だの『元~』だの、結局そんなのしか聴いてないんだから始末に悪い(笑)。去年頭の誓いはどうした(笑)。しかし新しいモノを見出すには、『感性』を初め『気力』も『体力』も、そして何より『財力』もとことんダメなワタシなので今年もあまり期待は出来ない(苦笑)。…でもまあ何とかしたいとは思っているのよ…。
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