2012/05/30

[A-040] Moebius-Plank-Neumeier - Zero Set ('83)

そのうち収まるだろうと思っていたレイドバック具合がさらにひどくなって来た。人間、過去を振り返り始めると死期が近いなんてことを云うが、もしかしたらこのブログを終えた途端に死んでしまうのだろうか…(笑)。いや、そんなことは無いだろう。だってオレ、このブログが終わったらクニに帰ってコイビトとケッコンするんだ…(笑)。


[A-040] Moebius-Plank-Neumeier - Zero Set ('83)



50、60、70年代と、電子楽器の発展と共に延々と実験を繰り返して来た『電子音楽』が、遂に80年代『テクノ(ポップ)』として大衆化と云うひとつの花を開かせることになる。それ以前の多くの電子音楽が、電子楽器の音声合成による『音色』の試行錯誤に注力していたのに対し、電子楽器のもうひとつの特徴である『自動演奏』と云う要素に光を当てたのが80年代のテクノの特徴であったと云えるだろう。均等で、無機的で、人間性を排したそのリズムが、未来的なニュアンスやパンク的な批評性と共に、云い知れぬ『快感』を持つことにアーティストたちは気付き、実際に多くの人々が魅了された。そして、ジャストなビートを持った音楽が巷に溢れることになる。

さて、世の中にはひねくれモノが存在すると云うことは、このブログをお読み頂いている皆様なら先刻ご承知だろう(笑)。そしてそれが往々にしてドイツ人であると云うことももちろんご承知だろう(笑)。この『Zero Set』は、ジャーマン・ロックのプロデューサー/エンジニアとして、もはや巨匠、重鎮と云っても過言では無いKonrad(Conny) Plank (Electronics,etc)が、ジャーマン・エレクトロニクスの先駆たるユニットClusterの片割れDieter Moebius (Syn,Pf,G,etc)とジャーマン・へヴィー・サイケ・バンドGuruGuruのMani Neumeier (Dr,Per,etc)と組み、ジャーマン・ストレンジ・ミュージックの総本山たるConny's Studioで、「巷で流行ってる『テクノ』っちゅーのをを『人力』でやってみっぺ」「なにそれマジウケル」と、非常にヒネクレたニヤつき顔で作ったであろうアルバムだ(笑)。

この時期のPlankは自動演奏によるシーケンスに惹かれていたのだろうか、彼がプロデュースしたアルバムに蠢くシンセが聴かれることは珍しくないのだが、このアルバムも、非常に攻撃的なシーケンス・フレーズで始まる。しかし、大きなカウントの声と共に、凄まじいフィル・インと共に、それ以上に攻撃的なドラミングが始まるのだ。

いつものキッチュで、どこかシニカルで、のほほんとユルくも醒めたいわゆる『ジャーマン・エレクトロニクス』とは違う、いやまさかとは思うが、しかしやっぱりいやはや何とも、どうにもこうにもいわゆる『ロック』を感じさせる音。あのニヤつき顔からは想像も出来ない「オレたちゃマジだぜッ!」「いぇーいッ!」なのだ(笑)。

Mani Neumeierの参加が、その『鬼神』の様なドラミングが、このアルバムの全てなのだろう。他の二人からすれば『誤算』とも云えるだろうこの『怪人』の暴れっぷりが、いつもの『ヘンなアルバム』を『世紀の大名盤』に仕立て上げてしまった。…もちろん、発表当初の評価は『ヘンなアルバム』だったのだが…(笑)。

確かに、『いつもの』ニュアンスはちゃんと存在する。ぶよぶよとしたシンセやティンパニ等のファニーな音、アフリカ女性のシュールな民族ボーカル等など…。何より、アルバムタイトル及び曲名は、単にスタジオのテープレコーダー(のロケーター)に書いてある機能表示を羅列しただけで、「オレたち、ぜ~んぜんマジじゃないっスよ~」と云う意思表示だったはずである。

しかし、特に『Speed display』と『Pitch control』の二曲のすさまじいグルーブが、現在に於いても尚、万人を高揚させ、躍らせる程の『本気の力』…いや、『マジのパワー』を結果的に秘めてしまっているのだッ!…そしてそのパワーは、90、00、その先の年代までもオレたちをアガらせ続けるッ!…こいつはマジヤバいっスよッ!(笑)


その他のアルバム

Moebius, Neumeier & Engler - Other Places ('96)



90年代に入り『Zero Set』の再評価が進む中、夢よもう一度と作られた続編らしきアルバム。亡きConny Plankの後釜は独のノイズ/インダストリアル系バンドDie KrupsのリーダーJurgen Engler (Syn,G)。シュールで乾いた世界観を構築した前作に対し、こちらは非常に有機的で湿った風景が広がる。

Mani Neumeier - Privat ('93)



エレクトロニクスに絡み付くトライバルなパーカッション。一部音源が使われているところを見ても、どちらかと云えば『Other Places』はこちらの続編と云うべきか。初回盤の『曲げわっぱ』ケースを開けると、いきなりペニスケース一丁のご本人の御尊影が拝める(笑)。…のだが、震災以来行方不明なんだよねこのCD。たまに見たく…もとい、聴きたくなる(笑)。

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