2014/01/05

[音楽雑記] 2013年オルタナティブ・アルバム・ベスト10

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。…と云うか、久しくご無沙汰してしまってすいません(苦笑)。…気を取り直して、新年一発目は恒例の2013年オルタナティブ・アルバム・ベスト10で。


James Blake - Overgrown



今更、と思われるかも知れないが、自分的に2013年の収穫はJames Blakeを知る事が出来たことだった。ちょっと前に流行った『フォークトロニカ』を進化させた様なリリカルな音響をバックに、か細くも透明無垢で、しかし艶かしい『ソウルフル』な歌声が流れる。どことなくRobert Wyattを連想したのは自分だけだろうか。…ところで、これをジャンル的には『ダブ・ステップ』と云うらしいのだが、未だ良くワカラン(笑)。




Karl Hyde - Edgeland



英のエレクトロニック・ダンス・ミュージック・ユニットUnderworldの中心人物のソロ。エレクトロニクスが絶妙にブレンドされた心地よいポップを素朴に訥々と歌っている。ちょっとJames Blakeと被る所は有るかも知れないが、こちらはよりポップで明るい。




David Lynch - The Big Dream



ご存知変態映画の巨匠のご乱心、かと思えばこれは何とセカンドアルバムだそうだ。知らなかった(笑)。ドラマ『ツイン・ピークス』のサウンドトラックを思わせるトレモロ・ギターのスローで曇ったサウンドと、ファニーに変調されたカントク自身のボーカルが、カントクの映画と同じく『乾いた変態』の肌触りを感じさせてくれる。




Pat Metheny - Vol.20 Tap: John Zorn's Book of Angels



Tzadikレーベルから発売されている一連のJohn Zornによるユダヤ・ソング・シリーズにPat Methenyが一人宅録で参加。これがいい具合のクレッツマー・ジャズ・ロックで、ギターもZero Tolerance for Silenceを思わせる凶暴さ(笑)。2014年はバンドのアルバムを出すそうだが、ここでストレスを発散しておいたのかも知れん(笑)。




Yoko Ono Plastic Ono Band - Take Me to the Land of Hell



御年80歳だよ…。そのお婆さん(失礼)が後期PILばりのヘヴィーなファンクに乗って、ブロークンで奇天烈な雄叫びを上げてるんだよ…。ひれ伏すしか無いじゃないか…(笑)。




Lee Ranaldo and The Dust - Last Night on Earth



元Sonic Youthのギターのバンドの1st。Sonic Youthよりポップでありながら、しっかりとギターはトリップする。『ノイズやらシューゲイザーは結局サイケの一形態である』と云うタネ明かしみたいなアルバム。




OMD - English Electric



Human League等と並ぶ80年代エレポップの代表格のニューアルバム。代表格と云いながらバンド・サウンドを中心に展開していた時期も有ったけど、これはもうホントに懐かしい”あの”OMDサウンド。いやぁ〜、『エレポップ』って本当に良いモンですね〜(笑)。




大友良英 - 連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック



2013年は『あまちゃん』だった(笑)。このスカともポルカともクレッツマーともつかない、ビッグバンドなのにスッカスカな音楽に乗った『お祭り』がつまり2013年だった。平和な日本の朝のお茶の間に、高柳昌行の精神を受け継ぐアヴァンギャルドなギターが鳴り響くと誰が想像しただろう(笑)。そして2014年にまでも、思いも寄らない事が起こる余韻を鳴り響かせている。




Prefab Sprout - Crimson/Red



Aztec CameraのRoddy Frame、Scritti PolittiのGreen Gartsideらと並ぶニュー・ウェーブ界希代のメロディメイカー、Paddy McAloon率いるPrefab Sproutのニュー・アルバム…なのだがこれは彼一人による宅録アルバム。難病を患っていると聞いたからかも知れないが、文字通り『明るく切ない』彼の歌声を聴くだけで涙が出てくる。




David Bowie - The Next Day



彼は全く変わらない。本作のジャケットでコラされている77年作『Heroes』は云うに及ばず、あのグランジやハウスが跋扈した93年にも『Black Tie, White Noise』なんてオルタナ・ポップの大傑作を出したのに、誰も鼻にも引っかけなかった。…そして、あれから何も変わらない本作は各方面で大絶賛されてたりする。それじゃああの時大絶賛したオレがバカみたいじゃあないの(笑)。




総評

実を云えば、2013年はオルタナティブ・ミュージック的にはあまり面白いモノは無かった。…飽くまで自分の聴いた範囲では、のハナシだけど。他のジャンルもそこまで夢中になれるものが無くて、何だか悶々としていた印象。それは多分…いや絶対そうなんだけど、もう自分の感性が終わっているんだと…いやいや、まだ認めたくはないんだよな…(苦笑)。

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