2012/06/09

[A-041] Magma - Attahk ('78)

ココには某匿名掲示板のコピペ記事は有りませんので、安心してご覧下さい(笑)。しかし、それらコピペブログ以上の偏見と偏向と誹謗中傷虚偽ステマに満ち満ちているかも知れませんので、用心してご覧下さい(笑)。


[A-041] Magma - Attahk ('78)



「お前を蝋人形にしてやろうか!」と歌ったバンドが日本に居たが、彼らは自分たちのことを『悪魔』だと云い張っていた(笑)。古今東西、こんなに沢山のバンドが有るのだから、そう云うヘンな主張をするヒトたちも中には存在する。前述バンドの元ネタである米のKissとか、そのまた元ネタであるハードロック/ヘビー・メタル方面には、そう云う『伝統』なのか『文化』なのか悪魔に近しい方々が多い。

一方、自分を『宇宙人』と名乗る方々も存在する。ジャズ方面ではあるが、米のキーボード奏者Sun Raは自らを『土星人』と名乗り、自己のバンドを『箱舟オーケストラ(Arkestra)』と名付け、メンバーで共同生活をしていた。一方、ヨーロッパはフランスにもそんなヘンなバンドが存在する。それがこのMagmaである。

ドラマーのChristian Vanderを中心に69年に結成された大所帯バンドMagmaは、当初より自分たちを『コバイア星人』だと名乗っている。何しろ手の込んだことに、彼らの音楽は、自分たちの言語『コバイア語』で歌ったモノなのだ。しかもそれらは出鱈目では無く、ちゃんと辞書も存在する本物の言語である(笑)。その為、世に出た当初、歌を聴いたフランスの人々でさえも彼らをドイツのバンドだと思っていたと云う(笑)。すごい。そこまでして『宇宙人』を名乗りたいこの執念は何だろう。第三者的視点による『文明批判』や、音楽的な『韻律』等を踏まえた『設定』だったのだろうか。それとも単に目立ちたかっただけなのか…(笑)。いやまさかホンモノだったりはしないと思うが…(笑)。

その音楽は、重厚で長大なブラス/ジャズ・ロック。ホーン・セクションを中心とした攻撃的な演奏に、咆哮する野太いボーカル、執拗に繰り返される狂気にも似たコーラス。まるで『怒り』のメタファーとでも云わんばかりの全方向に緊張感を伴った不気味な『圧力』を感じさせる、激しく、暗く、重いサウンドだった。76年の『Udu Wudu』でファンクへと方向転換はするが、重厚長大では無くなったものの、やはり、混沌と晴れぬ霧を抱えた鉛色の音楽だ。

そして、この『Attahk』で大きくフィーチャーされたのが、Christian Vander自身によるコバイア語のボーカルである。誰にとっても意味不明な言語で叫び、唸り、旋律を歌い上げる声は、もはや何とも知れぬ野生の雄叫びだ。攻撃的な演奏にVanderは叫び、コーラスは執拗に繰り返す。…しかし、今までとは違う。そう、『明るい』のだ。

いや、激しさは増している。まるで『ロック』だ。そう、ポジティブで、オプティミスティックで、バイタリティに溢れた、…そして誤解を恐れず、陳腐で陳腐で陳腐に過ぎる云い方をするならば、スケールの大きな『愛』の温もりさえ感じさせる『ロック』を展開しているのである。その佇まいは、さながら、遠く何光年も離れた異星の地で、元と似ても似付かぬグロテスクな材料を使い、故郷の懐かしい一品料理を作られてしまった様な違和感に満ちた光景だ。

しかし、異世界の『ロック』を、味わってしまう。異世界の『歌』に、心が動いてしまう。…これは宇宙規模の『オルタナティブ』なのだろうか。…それともこれはワナで、自分はこのままアブダクションされてミューティレーションされて蝋人形にでもされてしまうのだろうか(笑)。


その他のアルバム

Magma - Magma ('70)



記念すべき1st二枚組。最初期はブラス・ロック形態で、Soft Machine等のプログレ勢よりは、むしろ前年にデビューしていた米のブラス・ロック・バンドChicagoを思わせる。

Magma - Live ('75)



その名の通りジャズ・ロック絶頂期のライブ盤。ベース弾きが『Mekanik Zain』を聴くと、居ながらにして指が攣る(笑)。

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